ニッカンスポーツ・コムで注目俳優らを紹介するコラム「映画監督・谷健二の俳優研究所」執筆中の谷健二氏（45）演出の舞台「政見放送」（渋谷・伝承ホール）が17日に初日を迎える。

稽古も大詰めを迎える中、主演の馬場良馬（37）と、4年ぶりの舞台出演となる元AKB48の島崎遥香（27）がこのほど取材に応じ、意気込みなどを語った。

町長選挙の討論番組を舞台に、番組スタッフの思惑によって出演候補者の本性が次々と暴かれていく様子を描く。すでに谷映画で3度の主演経験もある馬場は「演出としての谷さんは初めてで、いろんなジャンルから役者さんが集まる中、真ん中に立たせてもらっているのは役者冥利（みょうり）に尽きます。みなさんいい人ばかりで、意見を出し合いながら作り上げていっている感じがすごく楽しい毎日になっています」と語った。

舞台ではディレクター役を担い、島崎らが演じる討論番組に出演した選挙立候補者らをまとめていく。見どころについては「いろんな個性的なキャラクターが出てきて、表と裏の顔が暴かれていくので、そこをみなさんに面白がって見ていただければ。あ、ここでひとつ仕掛けているなと気づいてもらえるような細かいお芝居ができたらいいなと思います」。共演者にはダンカン（63）や藤田朋子（56）らベテランも多く「ダンカンさんがいろんなキャラクターとして仕掛けてくださって、稽古中はキャラ抜きにして爆笑してしまっています」と振り返った。

島崎は現在放送中の朝日放送系連続ドラマ「ハレ婚。」で主演を務めるなど女優としての活躍もめざましい。舞台出演はまだ2度目だが「まだまだ経験が浅い分、知らない世界があると思うので今後も挑戦していきたい」と高い意欲で臨んでいる。まだ不安はあるというが「劇場という部分では、何年もAKB48劇場に立ってきたという経験は生かせるのではないかと自分自身に言い聞かせて弱気にならないようにしています（笑い）」と話した。

演じるのは26歳の泡沫（ほうまつ）候補のシングルマザー役。「年齢が近いので等身大で演じられる部分と、まだ経験のないシングルマザー、泡沫（ほうまつ）候補といった空想で演じる部分の両方が入り交じっている」と語り「そこの絶妙なリアルなのか、演じているのかどっちなのだろうみたいな空気感が出せたらいいなと思っています」と意気込んだ。

台本を読んだ際は少し自身に通じる部分も感じたという。「当て書きではないものの、ぱるるってこういう感じだよねって思ったんです（笑い）。ファンの方にも久々に『あー！この感じこの感じ！』とうなずいて楽しんでもらえるキャラクターになっているのではないかなと思っています」と話した。

舞台は17日から20日まで4日間で7公演を行う予定となっている。【松尾幸之介】