北京五輪カーリング女子日本代表ロコ・ソラーレ(LS)の流れをつくる〝ゆりかタイム〟が注目を集めている。

 カーリングでは両チームのリードの2投および先攻チームのセカンドの1投目までは、フリーガードゾーンにある石を弾き出してはいけないというルール(ファイブロック)があるため、リードの選手は石を弾き出すショットを放つことができない。

 しかし、石を軽く動かしてサイドにずらすウィックと呼ばれるショットは可能。難易度の高いショットと言われているが、職人技のごとく成功させているのがリード・吉田夕梨花(28)だ。一般的に有利とされる後攻時に得点を狙う際、先攻チームはガードと呼ばれる石を置くケースがある。そんな中でも正確無比のウィックで状況を打破。ガードの石をサイドにずらして攻撃の幅を広げてくれるのだ。

 あまりの成功率の高さに、カーリング関係者は〝ゆりかタイム〟と命名。NHKスポーツの公式ツイッターは、かねて吉田夕のウィックを決めた際の映像とともに「#ゆりかタイム」として紹介してきた。14日の中国戦でNHKの解説を務めた元日本代表の市川美余氏も「ゆりかタイム」を紹介。民放で試合が放映される場合は、吉田夕のショットがCMと重なる機会が多いだけに、ここぞとばかりにスゴさを語っていた。

 カーリングではどうしてもラストショットを放つスキップに話題が集まる傾向があるとはいえ、リードの洗練された技術があってこそ。この〝ゆりかタイム〟が4勝1敗と好調をキープするチームを支えている。