歴史が変わった――。北京五輪のスピードスケート女子団体追い抜き(チームパシュート、15日、国家スピードスケート館)の準決勝が行われ、平昌五輪金メダルの日本は、高木美帆(日体大職)、佐藤綾乃(ANA)、高木菜那(日本電産サンキョー)の布陣でロシアオリンピック委員会(ROC)を下し、決勝に進出。銀メダル以上が確定した。

 レジェンドたちを超えてきた。今大会すでに2つの銀メダルを手にしている高木美は、3個目のメダルが決まり、通算獲得数を6個に伸ばした。夏季大会を含め、日本女子勢では柔道女子の谷亮子、シンクロナイズド・スイミング(現アーティスティックスイミング)の立花美哉、武田美保を上回り、単独トップに浮上した。

 中学3年で2010年バンクーバー五輪に出場。「スーパー中学生」と呼ばれたが、14年ソチ五輪は出場を逃した。五輪期間中は姉・菜那らの滑りを地元のパブリックビューイングで観戦するしかなかった。「気持ちの差は行動に表れる」。悔しさをバネに高木美は、18年平昌五輪で金、銀、銅メダルをコンプリート。世界に強さを見せつけた。

 一躍脚光を浴びたあの日から12年。日本選手団の主将として挑んだ北京五輪では、プレッシャーのかかる中でもきっちり結果を残した。ただ、目標はあくまで頂点。大会前には「五輪の目標としては金メダルを取るっていうところが大前提にある」と語っていた。

 かねて個人種目での金メダルにこだわってきた。しかし、同じくらいパシュートにもこだわってきた。運命の決勝は、15日17時28分(日本時間18時28分)から今季W杯3連勝のカナダと対戦。17日の1000メートルに向けて、まずはチームジャパンで金メダルを勝ち取る覚悟だ。