北京五輪の期間中に国際オリンピック委員会(IOC)が毎日行っている定例会見で、中国の張高麗前副首相による性的暴行を告発して大きな波紋を呼んだテニス女子の彭帥(36)に関する質問が飛び出して騒然となった。

 彭帥を巡っては世界中が動向を注視する中、北京五輪開幕前にIOCのトーマス・バッハ会長が面会して〝無事〟をアピール。さらにフランス紙「レキップ」のインタビューに大会関係者が同席のもとで応じ、突然引退を表明するなど物議を醸していた。

 そうした中、17日に行われたIOCの定例会見で、海外メディアが会見に出席したボランティアの魏伊寧さんをあえて回答者に指名して「彭帥が誰か知っているか」「彭帥が何を投稿したのか、今安全であるのか知っているか」と立て続けに質問した。IOCや組織委員会ではなく、あえて〝一般人〟に聞いたのは、彭帥に関する情報が現地でどのように〝統制〟されているのかを探る意図があるとみられる。

 この質問に魏さんは「ごめんなさい、よくわかりません」と答えるのみだった。IOCや中国政府は彭帥の安全や問題がないことを強調しているが、依然として世界から疑惑の目が向けられたままだ。