岸田文雄首相(64)とロシアのプーチン大統領が近く電話会談で協議する調整に入ったニュースが流れた17日、安倍晋三元首相(67)が舞台裏で存在感を見せていた。

 安倍氏はこの日、安倍派(清和政策研究会)の会合で、岸田首相がウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談したことに触れ、「おそらく(岸田首相は)近いうちにプーチン大統領にも日本の考え方を伝えるだろう」と話し、日露トップ会談の見通しを示した。

 一方、岸田首相もまた自身の派閥の会合でウクライナ情勢について「力による現状変更を許せば、アジアにも影響が及ぶ。我が国も外交手段を通じ、緊張緩和に結びつける努力をしていかなければならない」と呼びかけた。

 緊迫するウクライナ情勢はロシアが軍事力を強めるだけでなく、プーチン大統領のしたたかな外交に欧米各国があわてふためく場面が目立っている。

 そんな中、安倍氏は手詰まり感が否めない岸田首相のために自身のロシア外交チャンネルを使い電話会談を準備したという。

「安倍氏は総理在任中、北方領土問題で思ったような結果を出せず残念でした。しかし今回はロシアを利するだけの外交しかできていない岸田政権のために後方支援したのだろう。岸田首相には我が国の立場をしっかり説明してもらいたい」(自民党議員)

 安倍氏は来週24日に党本部で行う外交部会・日本の名誉と信頼を回復するための特命合同委員会に出席する予定だ。