北京五輪フィギュアスケート女子で銀メダルを獲得しながら、試合後にコーチに対し怒りを爆発させたロシア・オリンピック委員会(ROC)のアレクサンドラ・トルソワ(17)問題で、元五輪女王がとばっちりだ。

 2014年ソチ五輪金メダルのアデリナ・ソトニコワさん(ロシア)は、女子フリー後に自身のインスタグラムにトルソワへの思いを記した。

「トルソワにもおめでとうと言いたい。彼女のジャンプは、ロケットのように跳び、そして宇宙へと向かう。これほど多くの4回転ジャンプを見せた少女は、史上初。サーシャ(トルソワの愛称)、すべてはこれから。すべては始まったばかりです。できることなら金メダルをあげたいところだが…でも、これはスポーツ。ありのままを受け入れ前に進むしかないんだ」などと、金メダルを逃したトルソワへエールを送った。

 しかし、人目もはばからず号泣し、恩師のエテリ・トゥトベリーゼ・コーチに対し「あなたは全部知っていたんだ!」と絶叫、「二度と氷の上には立たない」とまで語った17歳に、「受け入れろ」は酷な言葉と感じる人たちもいた。

 フォロワーの一人は「あなたは、トルソワのように跳ぶことができるのか? 何が『ありのままを受け入れなければならない』だ!」とソトニコワさんを〝何様〟批判した。

 また、2位でも「受け入れろ」発言は、ソチ五輪で五輪2連覇を目指しながらソトニコワさんに敗れ、銀メダルだったキム・ヨナさんのファンも刺激したようで、韓国語で「五輪女王?」「金メダル返却」と、あらぬ非難を受けている。

 ソトニコワさんはこれらの批判に対し「まずサーシャがフリーで1位だったことを忘れないようにしましょう!。いいえ(同じように跳ぶことは)できません。私はずっと前にスポーツを辞めました。どうか、今の状況と私を比べないでください」と答えている。

 フィギュアのロシア女子を巡る問題は波紋を広げ続けている。