新日本プロレス19日札幌大会で行われたIWGPジュニアタッグ4WAY王座戦は挑戦者の田口隆祐(42)、マスター・ワト(24)組が制して第69代王者に輝いた。

 今大会では当初、王者のタイガーマスク、ロビー・イーグルス戦が石森太二、エル・ファンタズモ組を挑戦者組として迎え撃つはずだった。だが、シリーズ途中の13日大阪大会で、どうしても69代王者になりたい田口がワトとともに挑戦表明。さらにエル・デスペラード、金丸義信組も参入宣言を繰り出し、王者組の提案のもと4WAY戦に変更となった。

 4チームの思惑が交錯する一進一退の攻防の中で、田口はロビーのファイヤーバードスプラッシュからタイガーのリバースダブルアームバーに捕獲されるなど王者組の猛攻にさらされた。それでもヒップアタックで他の挑戦者組に乱射すると、タイガーにどどんスズスロウンを決めて一気に攻勢に。最後はワトとの合体技「Nо.9」(合体式どどん)で3カウントを奪い乱戦に終止符を打った。

「69」という数字に異様なこだわりを持つようになったのは、今から約7年半も前のことだ。2014年9月神戸大会で第69代IWGPジュニアヘビー級王者となった田口は、リング上で鈴木軍のタイチ、エル・デスペラード、TAKAみちのくに襲撃を受けた。「完全にナメられましたからね。ナメられたらナメ返す」と若気の至りという言葉ではフォローしきれない発言を繰り出すと、あらゆる王座の〝第69代〟の座を狙う危険な男となってしまった。この経緯を知ろうが知るまいが、結局のところ田口の言動を全て理解できる人間はこの世にいない。

 とにもかくにも悲願を達成した田口は、バックステージでビールを次々と飲み干しつつ「防衛はね、やっぱり6回から9回の間だろうな。やっぱり6から9に選ばれてる。だから2人でね、6回から9回は防衛します。引退が6年から9年は延びましたかね」。69を愛し、69に愛された男だったことを証明した。

 また、パートナーのワトはこれが新日本でのキャリア初タイトル。「グランド・マスターへの道は少しまた、一つ階段を上ったことでしょう」とさらなる精進を誓った。