自民党の二階俊博前幹事長(83)が率いる二階派は21日、片山さつき元地方創生担当相に対し、異例の退会勧告を出した。

 退会勧告通知書は「二階派に所属する国会議員の信用を著しく失うものであり、かつ何ら是正も見られない」として二階氏や中曽根弘文、林幹雄両会長代行、武田良太事務総長の連名で出された。

 片山氏は二階派に在籍中、重要閣僚に起用された。ところが最近では、派閥の会合に欠席して周囲に「別の派閥に入る」との意思を示していたことが伝えられていた。

「二階派は〝来る者拒まず、去る者を追わず〟が基本姿勢です。二階氏は片山氏に対し『政治家の前に人としてどうか』と激怒していると言われ、過去に例を見ない措置を取った格好です」(自民党関係者)

 党内では渦中の片山氏が二階派から安倍晋三元首相の〝安倍派〟入りを目指すと見られているが、同僚議員はこう指摘した。

「高市早苗政調会長は今後の党内政局を見据えて安倍派入りを模索してると言われるが、いまだ実現に至っていません。片山氏はさらに難しいですよ」

 一方、自民党の麻生太郎副総裁(81)が会長の〝麻生派〟では、会長代理の佐藤勉前総務会長を始めとした複数の議員が退会の動きを行っている。

「片山氏が二階派会合に欠席していたのは佐藤氏が〝縦割打破〟を目指す菅義偉元首相とグループ結成する動きを知ってことだ。党内の派閥再編の動きは落ちつくまでにまだ時間がかかりますよ」(前出の関係者)

 党内の権力バトルの行方に注目が集まる。