俳優大泉洋(48)が、映画「月の満ち欠け」(廣木隆一監督、今冬公開)で主演を務めることが21日、分かった。原作は17年に直木賞を受賞し、累計発行部数26万部を超えた佐藤正午氏の同名小説。一見何の関係もない夫婦とかつての恋人たちをつなぐ、誰も想像もしえなかった数奇で壮大なラブストーリーを、豪華キャストで実写化する。

大泉は不慮の事故で妻子を失い、数奇な運命に巻き込まれる主人公・小山内堅(おさない・つよし)を演じる。妻役は柴咲コウ(40)。事故で亡くなった小山内の娘と同じ名前を持つ謎の女・正木瑠璃(まさきるり)役を有村架純(29)。瑠璃と許されざる恋に落ちる大学生の恋人役を、ソロで映画初出演となるSnow Man目黒蓮(25)が演じる。

作中で28歳~55歳を演じ、自身も父親の顔を持つ大泉は「同じくらいの娘を持つ父親として、今まで演じた役で一番感情移入しやすく、それだけに、今まで演じてきた中で一番つらい役でした。でも最後には、どこか希望を持たせてくれる不思議な作品だと思います」。そして「さまざまな人々の愛にあふれた映画です。つらいのに、幸せな気持ちになる、そんな不思議な体験をぜひ味わっていただきたい。どうか劇場でご覧になって、ご自身の大切な人に思いをはせていただけたらうれしいです」とした。

大泉と初の夫婦役となる柴咲は「堅役の大泉洋さんとは、以前時を超えた親子役で共演。今回は夫婦役です。役のくみ取り方、お芝居の足し算引き算、周りへの配慮、ブレない安定感…またもや大泉洋という人間としての魅力を、改めて感じました」と絶賛。そして「私も大好きな『月』がキーとなる作品。どのような仕上がりになっているのか今から楽しみです」。

物語の鍵を握る人物を演じる有村は、脚本について「何度生まれ変わっても会いたいと思える人に一生涯で出会えるとしたら。ロマンさえも感じてしまう人生の壮大さを最初に脚本を読んだ時に感じました」と語り「夢のような、現実のような不思議なことがもし起こったとしたら。自分は一体誰の生まれ変わりなんだろう、そんなことを想像できるのも作品の良さなのかもしれません。公開を楽しみにしていてください」と呼び掛けた。