東京映画記者会(東京スポーツ新聞社など在京7紙の映画担当記者で構成)が選ぶ「第64回ブルーリボン賞」の各賞が24日に決定。助演女優賞は、「ドライブ・マイ・カー」に出演した三浦透子(25)が受賞した。

 作家・村上春樹氏の短編小説が原作の映画で、三浦はドライバーの渡利みさき役を演じた。

 原作を読んだ感想について、「この小説が『こういうふうに映画になるんだ!』という驚きでした。短編の中のいろんな要素を抽出していて面白いと思ったのと、根底に流れているもの、読後感、読んだ後に残るものが通じているという気持ちでした。純粋にめちゃめちゃかっこいいと思ったので、素直に演じて、本の力を信じてやろうと思いました」と振り返った。

 映画では見事な運転技術を披露した三浦だが、実は撮影前は免許を持っておらず、撮影に合わせて免許を取得した。

「濱口竜介監督からは『とにかく運転練習をしてほしい。役作りだと思ってやってください』と。その言葉の先に何があったのか分からないですけど、私は運転練習していました。運転がうまいってどういうことかっていうと、視野が広いとか、気遣いができるとか、そういうことだと思っていて。根っこにある人間性につながってくる部分があるというか。彼女(みさき)の根っこにもつながっているんじゃないかと」

 ちなみに免許取得は「(教習所に)通いで17日で取りました」とスピード取得だった。しかもオートマ限定ではなく「マニュアルです。クラッチもきれいにつなげます」と笑顔を見せた。

 運転をかっこよく見られるためのコツを問われると「これは、みさきに限ってのことなんですけど『ちゃんと基本に忠実に』です。つまり『かっこよく見せようと思わない』ということですね。片手運転とかをせずに、ちゃんと基本通りに、ちゃんと運転する! みさきに関してはそうしました。彼女の仕事に対する姿勢とかが表れると思うんですよ。ちゃんとかっこつけない! 慣れても、慣れない!」。

 今後については「目の前にあることを頑張ってやろうと。これまでもその積み重ねで来たと思う。そうやってきたので、思いもよらないところに来たのかな、と。これからもそういうふうにやっていきたいと思います」と語った。