俳優高知東生(57)が26日、都内で行われた「依存症の正しい理解を深める落語とトークライブ」に出席した。

「依存症と家族」をテーマに、当事者との関わり方や家族の協力の大切さを訴える厚生労働省主催の啓発イベント。16年に覚醒剤取締法違反(所持、使用)で有罪判決を受けた高知は、依存症当事者として参加した。

高知は依存症患者に対する誤った家族の対応を紹介するミニドラマの製作総指揮を務め、「まさか自分が厚生労働省のイベントに出られるとは」としみじみ。3年前から自助グループに参加し、現在も回復の道を歩み続けており「1日1日回復し続ける姿を見てもらって、今どうしたらいいか分からない人にも『あの高知東生にできるなら、俺らにもできるぞ』と思ってもらいたい」と笑顔を見せた。

高知とともにミニドラマに出演した東ちづる(61)は、逮捕前と後の高知について「別人!別人でございます!」と声を張った。過去の高知を振り返りながら「オラオラ系で、人間的には優しいけど心を開かない感じだった。今は、あまりにもいい人過ぎる。ここで泣く? とかここで感動するんだとか、いまだに新鮮です」と現在の印象を明かすと、高知も「僕自身が新鮮です。社会に反抗するのがかっこいいと思っていた。芸能界では理想の自分を作り上げていたので、しんどかった~!」とぶっちゃけて笑った。

当初は自助グループで自分をさらけ出すことができず「面白おかしくしようと場面と空気を読みすぎて、変な芸能界の癖が出てしまった」と苦笑い。「何回目かの時に初めて大泣きして、心をありのまま預けていいんだと感じた」と変化の過程を話した。自身の事件を取り沙汰されることのへの不安感についても「全然ないです。ありのままですからね」と心境を語った。

落語家桂雀々、医師のおおたわ文絵氏、元NHKアナウンサー塚本堅一氏らも登壇した。