落語家・桂雀々(61)が26日、都内で行われた厚労省主催「依存症の正しい理解を深める落語とトークライブ」で落語「へっつい幽霊」を披露した。

 披露した落語は、死んだ後もギャンブルをやめられない男の話。亡くなった雀々の父も、ギャンブル依存症だったという。

 雀々は「両親の夫婦関係はもちろん悪くなるし、僕自身も子供心で間に入ってすごくつらいし、(親に)別れることを打診した。父はギャンブルのいかさまを教えてくれるところに通っていて。もう取り返しがつかなかった」などと明かした。

 雀々の母は、さまざまところから借金をして生活をしのいでいたという。「近所の民生委員のご夫婦や、パン屋のおばちゃん。『ご飯食べにおいで』『洗濯物を持っておいで』とか、毎日の日々の面倒をみてくれていた」と大阪での子供時代について明かした。

 自身はそんな父を反面教師にしてきたそうで「父の姿を見ていて、ここまでいくと人間だめになると思って。馬乗りになって殺されかけた時には、そこで完璧に親と断ち切るようになった。こういうことになってはいけないんだと」としみじみ。

 続けて「でも、僕も一時、パチンコで依存症になりかけて。5時間の間に14万勝って、落語に行ってギャラが2万円…(笑い)。絶対にこれはいけないと言い聞かせてきた。反面教師があってよかった」と冗談まじりに話した。