大阪市長で日本維新の会の松井一郎代表(58)が28日、大阪市内で報道陣の取材に応じ、ロシアのウクライナ侵攻をめぐる同会の鈴木宗男参院議員(74)の主張について言及した。

 宗男氏は公式ブログなどで「ロシアの主権侵害を認めるものではない」とした上で、ウクライナや欧米がロシアに対し「挑発と脅し」を繰り返してきたとの持論を展開。欧米側のこれまでの対応を疑問視してきた。

 宗男氏の主張に、セルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使は27日、自身のツイッターに「鈴木宗男は維新の会の恥だ!」と投稿。不快感をあらわにした。

 松井氏はロシアの侵攻について「国際法や、自制を求める各国の外交努力をかえりみず、『力による現状変更』を重ねるロシアの不法な行動は断じて容認できない」と厳しく非難している。

 党の考えと宗男氏の認識が一致しているのかを問われると、「力による現状変更はどのような事情があっても認められない。鈴木さんも同じだと思う。そこに至る中で、ウクライナ大統領が対話の部分ですれ違いがあったと指摘したものだと思っている。党としてはロシアの行動は徹底的に批判する。ロシアは無条件で撤退して謝罪するべき。それまでは国家として制裁するというのが方向性」と語り、「鈴木さんはすれ違いを指摘しただけ」との認識を示した。

 その上で、「表現の仕方はマズかったけど、それで党のメンバーに表現をすべて指摘させて直させるというのは違う」と話し、宗男氏に注意などを行う考えはないと明かした。