日本ハムの「ビッグボス」新庄剛志監督(50)が27日に放送された「S―PARK」(フジテレビ系)で、キャンプに臨時コーチとして招へいした谷繁元信氏(51=解説者)との思い出の2打席を語った。

 同番組の解説者である谷繁氏は、臨時コーチを務めた20日の日本ハムキャンプで新庄監督のインタビューを敢行。そこで明かされたのが、現役時代の大一番2試合の2打席で交わされた両者の会話だった。

 まず最初の試合が横浜(現DeNA)が38年ぶりにセ・リーグ制覇を決めた1998年10月8日の阪神戦(甲子園)。

 この試合で最後の打者となった新庄監督は打席で当時、横浜の主戦捕手だった谷繁氏から「新庄、頼むよ。もう優勝させてくれよ! 三振でいいだろ?」と懇願されたという。これに〝応えた〟新庄監督が大魔神・佐々木氏のフォークボールを見事に三振し、谷繁氏は大笑いしながら「ありがとうございました!」と当時の感謝を伝えた。

 さらに時は流れ、その8年後。今度は新庄監督の現役引退試合となった2006年、日本シリーズ第5戦の最終打席で谷繁氏がマスク越しに「おい、お前泣いてんのか? 真っすぐ行くぞ」と声をかけたやりとりを回想した。

「最後は三振しようと思っていた」という新庄監督が再び空振り三振。しかし、8年前と違っていたのは谷繁氏の言葉に感激して打席で涙を流していたことだった。

 この場面を振り返った新庄監督は「この人はなんて心が広いんだ」とし「あれって勝ちにこだわってなかったんですか?」と同氏にそのやりとりの意図を質問。谷繁氏は「こだわってたよ。こだわってたけど流れ的には厳しいなと。最後は気持ち良く終わってほしい」と回答すると、指揮官は「今の選手にそんなことできる選手がいるのかな」と感激を新たにしていた。