日本代表の森保一監督(53)が、パリ五輪世代の超新星として注目を集めるMF鈴木唯人(20=清水)のブレークを後押ししたエピソードを明かした。

 鈴木はすでに昨季も清水でレギュラーに定着していたが、今季はJ1開幕から絶好調。2試合連続でフル出場して2ゴールをマークしており、早くも昨季の数字に並んだ。

 開幕前の1月に行われた国内組による日本代表合宿にも大抜てき。1日に取材に応じた森保監督は、鈴木が一皮むけたと目を細める。

「鈴木唯人は実際プレーを見ていて、これまではゴールまでいく姿勢は特徴があったが、最後のところを決めるのは足りないと思っていた。だが(今季は)開幕から強い気持ちと技術を兼ね備えながら、結果にこだわってプレーしている気がする。守備のところでもチームに貢献しようとしている」と今季は大ブレークの予感が漂っている。

 森保監督は代表合宿での鈴木ら若手に対して語ったあるエピソードを披露。「MF南野(拓実)の話をちょっとした。うまい選手はたくさんいるが、南野が(リバプールの)クロップ監督に何を一番求められているかというと、前線でボールを奪うこと。ボールを奪って相手のゴールに向かっていくことは兼ね備えていなければいけない。うまい選手が強さも兼ね備えることが、世界の舞台で戦うには必要という話はした」。世界的名将が南野に指導している言葉を借りて、有望株にゲキを飛ばしたのだ。

 指揮官からの金言で、気鋭のストライカーが覚醒するか楽しみだ。