イタリアのファッションデザイナー、ジョルジオ・アルマーニ氏(87)が、先週末にミラノで行われたファッションショーで、ロシアのウクライナ侵攻を受けて「無音」の演出でウクライナの人々への支援を表明した。

米ピープル誌などによると、2022~23年秋冬コレクションに先立ち、「音楽を使わないという私の決断は、ウクライナで起きている悲劇に巻き込まれた人々への敬意を表すためです」とアナウンスがあり、ランウエーを歩くモデルたちの足音と観客の拍手だけが会場に響き渡っていたという。

アルマーニ氏は、ウクライナの人々と共にあることを伝えるため、ショーが始まる数時間前に急きょ無音で行うことを決めたと伝えられている。

「自分に何かできるのだろう」と考えたという同氏は、「沈黙を通じて悲劇の鼓動を知らせることしかできなかった。音楽を使いたくなかった。私たちは幸せではないという合図を出し、何か不穏な動きが起きていると認識することだ」と静粛のショーを行った理由について述べている。

ファッション・ウイークが開催されたミラノの街では、会場周辺でウクライナ侵攻に抗議する反対デモも行われていたという。(ロサンゼルス=千歳香奈子)