尾上菊之助(44)が出演する東京・国立劇場の3月歌舞伎公演「近江源氏先陣館-盛綱陣屋-」が3日、初日を迎えた。

主人公の佐々木盛綱は、菊之助の義父で、昨年11月に亡くなった中村吉右衛門さんの当たり役。知力にあふれ、懐の深い盛綱を大きく演じ、観客の拍手を受けた。

菊之助は「岳父が得意としてきた役で、心情や性根を、岳父が細かく書き残してくださった資料がありますので、岳父を思い出しながら挑戦したい」と話している。

菊之助の長男丑之助(8)は子役の大役、小四郎を演じる。切腹する場面もある難しい役どころで、心情豊かに演じた。

大坂夏の陣で敵味方に分かれた真田兄弟を、鎌倉時代に舞台を移して描いた作品。菊之助は「戦の話であり、家族の物語」と話す。本編前には、作品の見どころや解説が入る。NHK大河ドラマ「真田丸」のテーマ曲をバックに、物語の背景や登場人物などを中村萬太郎が解説した。