21年10月に90歳で亡くなった、元東映社長の高岩淡(たかいわ・たん)さんのお別れ会が4日、都内で営まれた。お別れ会には、高岩さんの異父兄の作家・檀一雄さんの長女で、めいにあたる、檀ふみ(67)が参列した。

檀は、東映の72年「昭和残侠伝 破れ傘」で女優デビューし、高岩さんが企画して父の遺作を映画化した86年「火宅の人」にも出演した。檀は東映を通じてコメントを発表。「叔父は私のデビューには懐疑的で、叔父にとって私は女優というよりアテンド役というか、アカデミー賞授賞式とか、私はその年は映画に出ていないのに『ふみちゃん来てくれや』と言っては私を横に置いていました」と、高岩さんとの思い出を振り返った。

その上で「叔父はとてもチャーミングな人で、すべて自分をさらけ出す人だったから、多くの人たちに愛されたのだと思います。映画に関してはパッションを持っていて、高倉健さんにはそれが通じて『鉄道員(ぽっぽや)』などの作品に出演していただけたのだろうと思います」と、高倉さんが「鉄道員(ぽっぽや)」で19年ぶりに東映の映画に主演した裏に、高岩さんの人間性があったことを強調した。