史上最多となる18個のメダルを獲得した北京五輪では、スピードスケートの高木美帆(27=日体大職)が女子1000メートルの金メダルを含む4個のメダルを奪取。女子500メートルで連覇を目指した小平奈緒(35=相沢病院)はケガに苦しみながらも、最後まで戦い抜いた。そこで、今回はダブルエースを支えたサングラスの秘密に迫った――。

 きらりと光るサングラスは、スピードスケート選手にとってなくてはならない相棒。そんな中で、選手たちから圧倒的な支持を集めるのがオークリーのサングラスだ。その理由について、同ブランドを担当する石﨑義孝氏は「大きな特徴はフィット感と視界ですよね。スピードスケートの選手が一番気にするところ。この2つの要素は選手のパフォーマンスに大きく影響してくるため、選手一人ひとりと話をしてベストなものを提供できるよう意識しています」と明かす。

 抜群のフィット感を生み出す秘密はフレームにある。オークリーのサングラスは鼻と両耳の3点を軸に挟み込み、包み込むような形で全体を支える構造を採用し、自然な形でフィット感を向上させた。また、鼻と耳の部分に特殊なゴム素材を使用することで、よりグリップ力の高いフレームが完成した。

 フィット感がもたらすメリットについて同氏は「レース中は常に風を浴びている状態なので、どうしても涙目になる。またリンクの氷に照明が反射し、まぶしさから足を運ぶポイントにズレが生じるとミスにつながってしまいます。そういったマイナス要素を排除し、より視界から集中させる役割がサングラスにはあります」と説明した。

 レンズにも独自の技術を施す。「普通のレンズは裸眼で見るのとレンズ越しに見る映像ではどうしても見え方にズレが出てしまいますが、オークリーのレンズは特殊な加工技術でズレが生じることなく、裸眼で見たままの視界がレンズ越しでも提供できます」。選手のストレスを極限まで減らす効果がある。最新の技術が凝縮されたサングラスが、陰ながら選手のパフォーマンスを支えていたのだ。

 さらに、選手に合わせたサポートを敢行。例えば、視力が弱い小平は度つきのサングラスを使用しており「小平選手自身は滑る中でちょっとした見え方の変化などに気づける選手なので、定期的に視力の状態を検査して修正しています」と選手ファーストを貫いている。