演歌歌手の三山ひろし(41)が6日、都内で、三山家とさ春として、立川志の春(45)とともに2人落語会を開催した。

落語好きの三山は昨年、テレビ番組の企画で落語に挑戦し、同9月の自身の誕生日にも「とさ春」として落語会を実施。20年4月に真打ちに昇進した志の春のもとで稽古を積んだ。

歌と落語でどちらが緊張するかを問われ「落語の方が緊張しますね。やったことがない、初めてのことなので」。準備期間は約20日。「毎日4回くらいやっていた。そのうち夢に見るようになって、良い方ならいいんですけど、だいたい良くない方。本編が出てこないという悪夢に襲われて…。師匠に言ったら、『それは落語家が見る夢だから見なくていい』といわれました」と苦笑いで振り返った。

披露した演目「厩(うまや)火事」は、落語家が50席ほど経験を積んでから覚えるものだという。「難しかった。表情の付け方、言葉が適切かどうか、とかハードルが高かった」。

本業の歌への影響を問われると「大いにありますね。(落語は)演じてやっている世界ではある。1人1人の描写が、歌の世界の人物描写につながっている。詩に対する理解度の深さが高まっているのではないかと自分では思っている。新曲も夫婦、男女間の恋愛模様。心の動きはつながっている。自分の歌に良い影響があるなと思います」と効果を口にした。

志の春は三山について、「もともとおしゃべりが相当いける方なので。リズム感は音楽の方はお持ちなので、落語は音楽的にしゃべるリズムが非常に大事。それは最初からあったと思います。『厩火事』は演じる度合いは多い話。そこも奇をてらわずに正攻法で三山さんの味が出ていて非常に良かった」と絶賛した。

2人は、20年に三山が座長を務めた舞台を東京・明治座で共演した縁がある。志の春は「めちゃくちゃうれしいですね。明治座でご一緒して、次にご一緒するのが高座とは思っていなかったので、うれしいです」と共演を喜んだ。