演歌歌手・三山ひろしが落語家・三山家とさ春として6日、都内で落語の師匠である立川志の春と「志の春とさ春二人会」を行った。

 三山が落語を始めたきっかけは昨年5月に、1か月間で落語を覚えて披露するというテレビ企画に出演したこと。この番組を見たファンから「落語を見たい」という声が上がったことから、昨年の9月に行ったバースデーイベントで落語を披露した。

 志の春との二人会で三山が挑戦したのは「厩家事」という演目。志の春によると「50席目ぐらいに覚えるもの」とかなり高度な演目だという。三山は「今回は覚えるのに、20日間くらいしか時間がなかったので、1日に4回くらいやっていた」と稽古に集中。その稽古のし過ぎで「夢にまで見るようになった。大体は失敗する夢で、枕を話したのに、本編が出てこないという悪夢にうなされた」。この事を志の春に話したところ「それは落語家が見る夢だから見なくていいと言われた」と笑わせた。

 それほど熱を込める落語だが、歌にも通じるものがあるという。「落語は一人ひとりを丁寧に描写しているのですが、歌の世界も歌っている人物を描写している。詞に対する理解度が深まっている」というのだ。三山が今年1月にリリースしたシングル「花恋歌~はなれんか~」は夫婦の愛情を歌った歌だが「男女の心情がいままで以上に分かるようになった。いい影響があります」と話した。