ロシアのウクライナ侵攻が始まってもうすぐ2週間になりますが、原発砲撃や民間人を標的にした非軍事施設への攻撃など、悲劇的な状況が連日メディアを通じて伝えられています。

ロシアの非人道的な軍事侵攻に対し、ハリウッドセレブたちも抗議の声をあげています。人道支援活動に熱心なショーン・ペンは、ドキュメンタリー制作のため侵攻が始まったウクライナを訪れ、ゼレンスキー大統領とも会談。徒歩でウクライナを脱出した後は、CNNに出演してウクライナを守るために立ち上がった大統領に心を動かされたと語り、「民主主義、自由な夢の象徴が攻撃されている」とロシアを非難。ウクライナの人々と大統領への支援を強く訴えています。

ポーランドで難民支援活動を行うショーン・ペンの慈善団体CORE
ポーランドで難民支援活動を行うショーン・ペンの慈善団体CORE

また、ウクライナにルーツを持つセレブやハリウッドスターたちもSNSで侵攻に抗議し、ウクライナ支持を表明しています。抗議の声をあげ、ウクライナ支援を呼びかけているセレブたちの声をまとめて紹介します。

◆ミラ・ジョボビッチ

セルビア人の父とロシア人の母を持ち、ソビエト連邦時代にウクライナの首都キエフに生まれたミラ・ジョボビッチは、「生まれ故郷ウクライナで今週起きている出来事に心を痛め、ぼうぜんとしています」と2月26日に自身のインスタグラムに投稿。

故郷とそこで暮らす人々が空爆を受け、友人や家族は身を隠していると悲痛な思いを綴り、「恐怖が展開し、国が破壊され、家族が追放され、彼らの人生全てが燃えて炭の破片となって散らばっているのを見ると、私は2つに引き裂かれています。父の故郷である旧ユーゴスラビアでの戦争と、家族が経験したトラウマと恐怖についての話を思い出します。戦争。常に戦争。平和をもたらすことができない指導者。終わりのない帝国主義の巨人。そして常に人々が血と涙の代償を支払う」と戦争を批判しています。

◆アシュトン・カッチャー&ミラ・クニス夫妻

ウクライナ出身のミラ・クニスを妻に持つアシュトン・カッチャーは、ウクライナ侵攻を受けて先月24日に「ウクライナと共に立つ」とツイッターに投稿。その後も「もし、ロシア人の友人がいたら電話をして、(ロシアの)メディアは彼らにうそをついていると教えてあげて。ウクライナは戦いを望んでいない。彼らはただ、プーチン政権を望んでおらず、占拠されたくないだけ」と英語とロシア語でつぶやくなど情報発信を続けています。

夫妻は、難民支援のためにクラウドファンディングサイト「GoFundMe」で3000万ドルの目標額で募金集めも行っており、集まった金額と同額を最大300万ドルまで自分たちも寄付することを約束しています。ソビエト連邦の崩壊を機に7歳の時に家族と共にアメリカに移住したクニスは、インスタグラムに投稿した寄付を呼びかける動画で「今日ほど自分がウクライナ人であることを誇りに思ったことはありません」と語っています。

◆ライアン・レイノルズ&ブレイク・ライブリー夫妻

ライアン・レイノルズ(18年5月撮影)
ライアン・レイノルズ(18年5月撮影)

ライアン・レイノルズは、国連難民高等弁務官事務所アメリカ支部(UNHCRアメリカ)のツイートをリツイートし、「この48時間で数えきれないほどたくさんのウクライナ人が近隣諸国への避難を余儀なくされています。彼らは保護を必要としています。皆さんが寄付をして下さったら、私たちが100万ドルを上限に同額を寄付し、支援を2倍にします」とファンに協力を求める投稿をしています。また、ブレイク・ライブリーも近隣諸国に避難した人々への救援援助活動をしているUNHCRアメリカへの寄付をお願いする同様のメッセージを投稿しており、夫婦揃ってウクライナ難民を支援しています。

◆アンジェリーナ・ジョリー

UNHCR特使を務めるアンジェリーナ・ジョリーは、「多くの皆さんと同じように、ウクライナの人たちのために祈っています」とSNSに投稿し、UNHCRの同僚たちと協力して当該地域からの避難民と難民の保護と、基本的な人権を保障するため可能な限りのことを行っているとコメント。その後もインスタグラムを更新し、「1人のウクライナ難民が国境を越える前に、世界中ですでに8200万人以上が家を追われています」と投稿して、難民が増え続けている現状を訴えています。

また、ユニセフが公開した幼い子供と一緒に地下室に避難している母親の動画もシェアし、「これがウクライナの人々の現実」と推定750万人のウクライナの子供たちとその両親、家族が家を追われている悲劇を伝えています。

◆マドンナ

マドンナは、「ロシアの無意味で貧欲なウクライナ侵攻は止めなければならない。この危機で影響を受けているウクライナの何百万人もの人々を支援するため、人道援助を送って下さい」とキャプションを添え、被害を受けるウクライナの人々や、ロシアのプーチン大統領に中指を立てる自身の映像を編集した動画をインスタグラムに投稿。

「うそばかり」「もう耐えられない」と字幕も添えており、「プーチン大統領は現存する全ての人権に関する規定に違反している。ウクライナの存在を消そうとする権利はない」と力強いメッセージでプーチン大統領を批判しています。

◆マイケル・キートン

先月27日に行われた全米映画俳優組合(SAG)賞授賞式で、TVムービー、リミテッド・シリーズの主演男優賞を受賞したマイケル・キートンは、檀上で俳優だったウクライナのゼレンスキー大統領について「私たちの仲間」と言及し、受賞スピーチでロシアに抵抗する同大統領を賞賛。

◆ジジ&ベラ・ハディッド

モデルのジジ・ハディッドは、2022年秋コレクションで稼いだギャラをウクライナの戦争で苦しんでいる人々のために寄付することを表明。「私たちの目と心は、すべての人間の不正に対して開かれている必要があります。私たちがみな、政治、人種、宗教を超えて、兄弟、姉妹として互いを見ることができますように」とインスタグラムに投稿し、平和を訴えています。

同じくモデルの妹ベラもウクライナの国旗と共に「戦争の現実は罪のない人が苦しむだけ」とのメッセージをインスタグラムに投稿しており、その後もUNHCRのウクライナへの寄付サイトのスクリーンショットも投稿して寄付を呼びかけています。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)