カムカムエヴリバディ:るいが「サニー・サイド」口ずさむ場面「安子が歌った子守歌を参考に」 制作が語る秘話

NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第90回の一場面 (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第90回の一場面 (C)NHK

 女優の上白石萌音さん、深津絵里さん、川栄李奈さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「カムカムエヴリバディ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の第90回が3月9日に放送された。100年の物語をつなぐジャズのスタンダードナンバー「On the Sunny Side of the Street(オン・ザ・サニー・サイド・オブ・ザ・ストリート)」を、るい(深津さん)が口ずさむシーンについて、第19週の演出を担当した松岡一史さんに、撮影秘話などを聞いた。

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 「On the Sunny Side of the Street」は、1930年にブロードウエーの舞台用に作られた。今作では印象的な場面で流れていることが多く、初代ヒロインの安子(上白石さん)と夫・稔(松村北斗さん)の思い出の曲であり、娘のるいは幼少期に子守歌として安子から聴かされていた。るいの夫・錠一郎(オダギリジョーさん)も、トランペッター時代にたびたび演奏し、「カムカムエヴリバディ」を象徴する楽曲になっている。

 3代目ヒロインの「ひなた編」になってからは、今回が初めての登場だった。第90回では、五十嵐(本郷奏多さん)との失恋で部屋に閉じこもって布団の上で泣いていたひなた(川栄さん)を元気づけるため、るいがしっとりと英語で歌い上げた。

 松岡さんは、「深津さんとも、へたれ込んだひなたを前に、るいがどう寄り添ってあげるのかを議論して撮影しました」と明かし、「意図的にやった部分もありますが、少し声が詰まり、感極まっているところも残し、編集上で尺をカットした部分はほぼありませんでした。そのまま見れば伝わるお芝居をお二人がされていたので、リハーサルをやってそのまま本番、という流れで撮影しました」と振り返る。

 当初、深津さんに「もっと明るく歌ってください」とお願いし、「『殻に閉じこもってしまいそうな娘を、ひなたの道に救い出してあげてください』ということを伝えていました。しかし、よくよく考えると、楽曲には『自分は日陰の人生を歩んできた』という歌詞があります。そこはるいさんが生きてきた思いが凝縮されたような歌になっています」と、今回の雰囲気に至った理由を説明する。

 ジャズのスタンダードナンバーとして、さまざまなアレンジがある楽曲だが、今回るいが歌ったのは「安子さんが聴いていたサッチモ(ルイ・アームストロング)のアレンジを、歌い方も含めて採用した」という。「るいが聴いてきたことを、そのままひなたに向けて歌ってあげたいという思いがありました。最終的に『安子さんが子守歌で歌ったサニー・サイドを反芻(はんすう)して歌いませんか?』とご相談し、練習していただきました」と明かした。

 「カムカムエヴリバディ」は、朝ドラ史上初の3人のヒロインが織りなす100年のファミリーストーリーで、昭和、平成、令和の時代に、ラジオ英語講座と共に歩んだ祖母、母、娘の3世代親子を描く。上白石さんは祖母の安子役、深津さんは母のるい役、川栄さんは娘のひなた役として、バトンをつなぐ。

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