あなたの話をお聞かせ下さい――。作家で僧侶の家田荘子氏が気になる人物に迫る「駆け込み寺」対談編。話すことで自身を見つめ直し、人生の学びを見いだす。今回のゲストはコントトリオ「B21スペシャル」のメンバーとして人気を集めたデビット伊東(55=以下、デビ)。コロナの影響で1億円の借金を背負ったデビが妻・能子さんへの感謝の思いを語った。

 家田 一番の出会いは。

 デビ 奥さんです。

 家田 神奈川県の真鶴に移住したきっかけは。

 デビ 従業員を食わすとか言いながら目の前にいるうちの奥さんを大事にできてなかった。真鶴に何回も通って「ここ深呼吸ができる」と能子さんが言って、だったら移住しようかって。町民もいい人ばっかりで恩返しようと思って2人だけで最後のラーメン屋さんを。デビットラーメンって別の会社があって、伊東商店は夫婦だけのお店。将来的には競い合わせようかなというのがやっと見えた。
 
 家田 ラーメン店を海外にも出店されて収入は。

 デビ 給料制にしてたんで、そんなにもらってなかった。年商は2~3億を前後してました。コロナでゼロになりました。
 家田 借金は。

 デビ 累積が残ってるので、それも返さないといけないプラス3000万円の借金をしました、従業員を守るために。海外の負債もあったんで全部ゼロにしてそれから真鶴に移住するためにさらに3000万。6000万プラス負債を含めて1億超えてるでしょうね。でも笑顔でいられるんですよ。

 家田 能子さんのおかげね。

 デビ そう! あの子の笑顔ためなら1億ぐらいたいしたことない。

 家田 今後は。

 デビ ラーメン屋さんとおじいちゃん、おばあちゃんと子供の交流の場所となる駄菓子屋さんをやります。プラス映画を作ろうかなと。もう絶対に負けない!ここまでどん底を見たから。

 家田 コロナで大変な思いをした人たちが光を見つけることができたと思います。(対談の模様はユーチューブ家田荘子チャンネルで配信中)


☆でびっと・いとう 1966年8月12日生まれ。埼玉県出身。愛称はデビ。86年にヒロミ、スターちんとともにコントトリオ「B21スペシャル」を結成。2000年に「とんねるずの生でダラダラいかせて!!」の企画でラーメン店で修行し、渋谷にラーメン店「でび」を開店。