「孤狼の血 LEVEL2」(白石和彌監督)の鈴木亮平(38)が、最優秀助演男優賞を獲得した。鈴木は「本当に、ありがとうございます。自分1人では決して、いただけないものですので、作品に関わった全ての方、ロケに協力してくださった広島の方に感謝します。いただきました!」と声を震わせた。

鈴木は壇上から、18年の第1作「孤狼の血」に主演し「すばらしき世界」で優秀主演男優賞を受賞した、役所広司(67)を見詰めた。そして「感謝したい人だらけなんですが…1作目の主演を務められたのは、役所さん。正直、現場は役所さんがいないというプレッシャーとの戦いでした。ただ、役所さんがいないという空白が僕たちにいいプレッシャーになり、緊張感のあふれた現場になった。役所さんにもこの場を借りて感謝します」と感謝した。

その上で「すごいですね…。映画を見るのが好きで、スクリーンの世界の中に入りたいと思った子供の頃から、18歳でお芝居を始め、これまで本当にたくさんの方に迷惑をかけながら、助けていただいて今日、1つの評価をいただけました。その方たち、1人1人の顔を思い出しながら、ブロンズを眺めて夜を過ごしたい」と感慨深げに語った。

鈴木は劇中で、五十子会上林組組長・上林成浩を演じた。前作で役所が演じた、暴力団とも深い関係を持つ呉原東署の暴力班捜査係主任・大上章吾の部下で、松坂桃李(33)が演じた日岡秀一と真っ向から戦う役どころだ。日岡も前作では大卒の新人刑事だったが「-LEVEL2」では、抗争に巻き込まれて殺害された大上の後を継ぎ、広島の裏社会を治める刑事に成長した役どころだった。

優秀主演男優賞受賞者のトークの中で、松坂も「役所さんがいない中での緊張感、いないからこそ一致団結して前作を超えるぞ、と」と、役所なき現場のプレッシャーと、はね返すエネルギーが現場にあったと語った。役所は、松坂演じる日岡について「完ぺきですね」と評した上で「『2』を作ると言った時に、どっかの悪い親分みたいので出りゃいいじゃないと言ったのに、出してもらえずに、とても残念」と笑った。

優秀助演男優賞受賞者は、以下の通り。

阿部寛(「護られなかった者たちへ」)

堤真一(「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」)

仲野太賀(「すばらしき世界」)

村上虹郎(「孤狼の血 LEVEL2」)