仮面ライダーオーズ:渡部秀、新作撮影に「使命感感じた」 三浦涼介、アンクは「すべてをつなぎ留めている存在」

「仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル」に出演する渡部秀さん(左)と三浦涼介さん
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「仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル」に出演する渡部秀さん(左)と三浦涼介さん

 特撮ドラマ「仮面ライダーオーズ/OOO」の完全新作「仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル」(田崎竜太監督)が3月12日に公開される。今回の「復活のコアメダル」はテレビシリーズ最終話の10年後を舞台にした新たな物語で、主人公のオーズ/火野映司役を続投する渡部秀さんと、アンク役を続投する三浦涼介さんに、放送10周年を迎えての感想や再集結しての撮影に臨んだ際の心境、さらに自身にとって演じたキャラクターや作品がどのような存在になったかを聞いた。

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 ◇10周年は「ようやくでもあり、あっという間」

 新作は「仮面ライダーオーズ/OOO」放送10周年を記念して制作されたが、渡部さんは10周年を迎えての心境を、「ようやく10周年でもあり、もう10周年。あっという間の10周年」と表現する。

 その真意を、「いろんな感情が入り交じる感じがして、ここまで来られたのはキャストやスタッフ、関わってくださったすべての皆さまの力があってこそ。何よりも10年間待ってくださったファンの皆さまあっての作品だということを日々、実感しています」と語る。

 「10年たったのかという感じ」という三浦さんは、「10年もたったので、みんなで久しぶりに集まった時に何を提供できるのだろうという緊張感はありつつ、もちろんワクワク感もありました」と期待と不安が入り交じっていたことを明かす。

 ◇新作撮影では不安と期待が入り交じった心境に

 今回の「復活のコアメダル」は、テレビシリーズ最終話の10年後を描く続編として、消滅してしまった怪人アンクの復活と、新たな敵との戦いを繰り広げる……というストーリー。

 台本を初めて手にした際の印象を、三浦さんは「楽しみもあったし、応援してくださっているファンの皆さんも、演じている自分たちもスタッフさんも期待値はすごく高い気がした」と切り出し、「その世界観にたやすく入っていこうものなら、変に当時より“スキ”がありすぎちゃうのでは。年齢や経験と共に多少の余裕が出てきた分、当時のような深みが逆に出ないのではと思った部分もあった」と率直な感想を口にする。

 さらに三浦さんは、「限られた尺(時間)の中で何を出せるのか。もちろん台本にすべてありますが、それを形にしたとき、僕らが初めて読んで受けた印象を、同じように見てくださる方たちに、ちゃんとお伝えできるのかなというプレッシャーはありました」と撮影中の心境を振り返る。

 一方、渡部さんは、「演じるにあたって台本に応えられるだけ自分にスキルがあるか不安でした」と感じたことを明かし、「『これを乗り越えていかなきゃ』『しっかりと演じ切らなければいけない』といった、使命感というか責任感をひしひしと感じました」と気持ちを新たに撮影に臨んだという。

 ◇映司は「近くもあり遠くもある不思議な存在」

 完成した映像では、映司とアンクに “いつかの明日”が訪れ、一つの“結末”がファンに提示される。2人がそれぞれ演じるキャラクターには、多くのファンが存在するが、渡部さんにとって火野映司という役、三浦さんにとってアンクという役はどのような存在になっているのだろうか。

 渡部さんは、「最初に映司という役に出会ったとき、不思議な青年だなと感じ(自分とは)遠い距離に置いて考えていたキャラだった」と振り返る。1年間演じていく間に「意外と自分に近い部分もあるなと変わり、さらにそれが『自分だ』というものに変わっていった。そんな存在です」と印象の変化があったことを説明する。

 続けて、「作品を離れてみると映司は自分とは違うなって思う。映司の心境と共に変化していくのか、渡部秀の心境として変化していくのか。やりながらよくわかっていなかった部分は正直あった」と当時の撮影を振り返り、「作品内にいるときの映司のキャラ、作品を離れての映司のキャラというのは、近かったり遠かったりして不思議な存在です」と語る。

 ◇アンクは「いろんなことをつなぎ留めてくれている存在」

 三浦さんはアンクを「すべていろんなことをつなぎ留めてくれている存在」と表現し、「10年前に一旦『オーズ』を“卒業”して、またこうして10年ぶりに再会できるなんて誰も思っていなかったと思うし、全員そろうということは“奇跡”に近いこと」としみじみ。

 本作の現場では、「キャストだけじゃなく、支えてくださっているスタッフの皆さんとも久しぶりにお会いできたり、当時のことを今だから笑って話せたり、そういう意味では“生きているな”って」と神妙な表情で話し、「笑顔で人と会えたり真剣に何かに取り組めたり、ちょっと忘れていたようなことをもう一回思い出させてくれた」と笑顔を浮かべる。

 ◇

 最後に、渡部さんと三浦さんにとって「仮面ライダーオーズ」という作品が、自身のキャリアの中でどういう価値を持っているのか聞いてみた。「家族」と答えた三浦さんは、「共に過ごして離れてまた戻ってのように、当時も振り返れるし、『生意気だったな』とか『丸くなったな』といった話もできる。家族みたいなチームだと思います」と言ってほほ笑む。

 しばらく考えた後、「“出発点”」と口にした渡部さん。「役者人生を歩んできて、自分の中で存在の大きい作品だというのは何回も考えさせられてきた。“出発点”というのはこれからも変わらない」と思いをはせていた。

 新作は、映画館で期間限定で上映。8月24日にブルーレイディスク、DVDが発売される。(取材・文・撮影:遠藤政樹)

 ※田崎竜太監督の崎はたつさき

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