ドッキリじゃありません! 女子プロレス「アイスリボン」の取締役選手代表を務める藤本つかさ(38)が、15日に結婚したことが分かった。お相手は交際中だったテレビ制作会社勤務の年上男性で、同日未明に婚姻届を提出した。「2018年度プロレス大賞」で女子プロ大賞を受賞しながら、これまで私生活ではなかなか良縁に恵まれず、パンダとの〝不倫〟が話題になったこともあった。インタビューで明かした涙あり、笑いありのゴールに至ったてん末とは――。


 アイスリボンの象徴に待望の春が来た。〝飛翔天女〟こと豊田真奈美が証人を務めた婚姻届を提出した藤本は「ファンの方もたくさん心配してくれましたが、無事にお嫁にいくことができました。どうか温かく見守ってください」と語った。しかも「これはドッキリではありません!」と付け加え、はじけるような笑顔をのぞかせた。

 お相手は「縄文時代のチュートリアル徳井義実似」という一般人男性で、出会いは2018年6月、共通の知人のパーティーの席だった。だが「ほとんど記憶にない」そうで、その後は年に1~2回、友人が集まる食事会で同席する程度の関係が続いた。

 急展開したのは20年11月下旬だ。2人だけで会う機会を経た後、正式に交際を申し込まれた。だが、藤本の最初の返事は「ノー」で、「少し時間をもらっていいですか?」と再考の時間をもらい悩み続けた。

 1週間後。背中を押してくれたのはタッグチーム「ベストフレンズ」の盟友・中島安里紗(32)だ。「嫌じゃないから2人で会ったんでしょ? 他に誰もいないんだし、『好き』と言ってくれる人がいるのは幸せなことだよ」と言われ、藤本の気持ちは固まった。

 こうして晴れて交際がスタート。コロナ禍による自粛が続く中、静かに愛をはぐくんできた。「私はしっかりしたイメージを持たれるんですが、ポンコツなところがあって。でも『何やってんだ』じゃなく、笑ってくれるのが楽だった。無理しなくていいんだなって」

 昨年9月には試合で頭部に強い衝撃を受け、たんこぶとあざだらけの顔で帰宅したことがあった。すると「ちゃんと起きるか心配だから」と藤本のマンションを訪れ、付きっきりで看病してくれた。翌朝、ベッドの脇で寝落ちしている姿を目にし自然と涙があふれた。「安心できる存在だな」

 12月下旬、都内の日比谷公園でデート中に指輪を見せられ「結婚してください」とプロポーズされた。喜んで受け入れたが、ここでちょっとしたハプニングが。人生の節目ともいうべき肝心な時に、芝刈り機が迫ってくるのが気になった。

「ドッキリなのかなって思ってしまって…。芝刈り機にカメラが仕込んでないか何度も確認してしまいました(笑い)」

 かねて仲むつまじい両親の姿に感化され結婚願望は強かったが、縁がなかった。それがいつしか「藤本の結婚ネタ」として定着。女子プロ大賞の授賞式が行われた19年1月にはアンドレザ・ジャイアントパンダに唇を奪われ、巨大パンダとの不貞行為が話題になったこともあった。

 そのため結婚を報告した際、宮城県内に住む母・きみえさんからは「今日はエープリルフールじゃないから」と信じてもらえず、弟からは「結婚は相手がいてできるものです。人間? パンダ?」とLINEが届いたという。

 だが、今回は違う。藤本の結婚は、本当に本当だ。「うれし涙を流せる家庭にしたいです。私がドジると『さすがだね』と言ってくれる方なので爆笑が絶えない家庭に。子供も欲しいですね、女の子が。あっ、もし浮気されたらビーナスシュートします!」。〝プロレスでハッピー〟を合言葉に夢と希望を届けてきた愛の伝道師が、幸せのらせん階段を上る。


【今後の活動は…】気になるのは今後のプロレス活動だ。近年の女子プロ界では、2019年2月に宇藤純久(現オルカ宇藤)との結婚を発表した世羅りさや、米WWE所属時代の20年2月に結婚したカイリ・セイン(現KAIRI)が現役を続けている。

 一方、紫雷イオの姉・美央は15年9月の引退興行で結婚を電撃発表。18年5月にDDT大石真翔との結婚を公表したWAVEの大畠美咲は同年12月に引退した。

 藤本は今後について「いろいろ考えています。まとまりましたら誠意を持って、近日中に発表させていただきます」と語るにとどめた。アイスリボンは昨年末までに8選手が退団し、先日もシングル王者の春輝つくしが5月4日横浜武道館大会での引退を表明した。

 激震続きの中で藤本の結婚は唯一の明るいニュースだったが、今後は去就に注目が集まりそうな気配。20日に後楽園ホール大会が予定されており、早ければここで今後に関する発表がありそうだ。

 ☆ふじもと・つかさ 1983年7月30日生まれ。宮城・利府町出身。東北福祉大卒業後は広告代理店に勤務。芸能活動を経てアイスリボンに入団し、2008年8月にデビュー。芸能人フットサルチームでも活躍し、15年から取締役選手代表を務める。18年度「プロレス大賞」女子プロレス大賞を受賞。必殺技はビーナスシュート。158センチ、50キロ。