じゅんいちダビッドソン(47)が、5月6日に東京・渋谷ユーロライブで3年ぶりの単独ライブ「ソロチャンプ」を開く。テーマは「--オレ、まだ伸びてる。」だ。

20年1月に独立して、個人事務所「合同会社潤一」の社長に就任。同年5月の単独ライブは中止になった。その間、ネタだけではなくYouTube「ちゃんねるダビッドソン」で“キャンプ芸人”として地位を確立した。

「3年ぶりですからね。いつも来ていてくれたお客様にも、僕がどう移り変わったかを見てほしいですね。前みたいにネタだけをやるのではなく、ネタっぽくトークベースでプレゼンテーションしたい。現在の自分を吐きだして、より等身大のじゅんいちダビッドソンを見てもらいたい。もちろん本田圭佑の新ネタも用意しています」と話す。

コロナ禍を力強く乗り切ってきたじゅんいちだが、合同会社潤一は設立数カ月で倒産危機に見舞われた。

「20年春にコロナ禍になった途端に、予定していた営業が50本もキャンセルされました。本田ネタのイベントもゼロになりました。アウトドアっていうことでキャンプ芸人の仕事があったので、なんとか助かりました。19年春からキャンプ芸人の仕事を始めたんですが、その1年間の“助走”が大きかった」と振り返る。

20年夏、コロナ禍が収まりかけ、イベントが再開された。「商業施設の特設ステージだったんですけど、飛沫(ひまつ)防止のために僕の真ん前に透明シートが下げられて、顔もよく見えないし、声も届きにくかった。キャンプ芸人でしのげたのは運が良かったと思います」と話している。

昨年3月に初めての子となる長男が誕生した。「もうすぐ1歳になりますけど、生活のリズムが全部変わりましたね。キャンプ中でもビデオ付きで電話するようになりました。コロナで大変ですが、顔を見せるために実家の親のところにも帰るようになりました。育児も手伝ってはいるんですけど、いろいろと怒られてばかりです。世のお母さんは、本当に大変だと思いますね」。

15年にピン芸日本一を決める「R-1ぐらんぷり」で優勝。その後も、着実にステップアップしてきた。「キャンプ芸人の仕事が増えるのはありがたいけど、そればっかりではなくネタもしっかりとやっていきたい。要はバランスが大事。社長の仕事、ネタ芸人、キャンプの仕事の“3刀流”をバランス良くできたら」と話している。

19年には漫才協会に加盟。月に1回、定期的に東京・浅草の東洋館のステージに立っている。「お客さんの年齢層は僕よりも年上の方が多いんです。ゆったりと見てくれるから、すごくやりやすい。僕はゆったりとネタをやる方ですから。他でやる時は、二十歳くらいの女の子の前でネタを4分でみたいな感じが多くて緊張することもあるから、やりやすいですね。本田ネタは結構な年配の方でも笑ってくれますから」と話している。

世知辛い世の中でも可能性を感じさせてくれる。「伸びしろですね」と笑っている。

◆じゅんいちダビッドソン 1975年(昭50)2月4日、兵庫県尼崎市生まれ。名古屋学院大卒業後、芸人を目指して上京。98年お笑いコンビ、ミスマッチグルメ結成。11年に解散してピン芸人に。サッカー本田圭佑のネタで15年「R-1ぐらんぷり」優勝。174・6センチ、69キロ。趣味は釣り。特技ビリヤード、水球。血液型B。