蓮舫氏(54)が立憲民主党の若手議員から人気を集め、〝ベテラン議員〟として存在感を示している。

 17日の参院予算委員会で質問に立った蓮舫氏は、岸田文雄首相に対し、ウクライナ支援やロシアへの経済技術協力予算案の見直し、日露原子力協定などについて鋭く追求した。

 安倍晋三内閣で外務大臣を務めた岸田首相に対し「安倍総理は、新しいアプローチとして4島ではなく歯舞、色丹の2島、返還交渉を進めるとして、地元山口にプーチン大統領を招いて歓待をした。『ウラジミール、君と僕は同じ未来を見ている。ゴールまでふたりの力で駆け抜けよう』と呼びかけたが、これゴールにたどりついたのでしょうか」と質問した。

 岸田首相は「わが国はロシアとの関係において、北方領土問題を解決して、平和条約を締結という目標を立て、努力をした。残念ながら、その目標は達成されておりません」と答弁。これに蓮舫氏は「ゴールどころか、ずいぶん後退したと思っているんです」と皮肉を込めて指摘した。

 このやり取りを目撃した立民の若手参院議員は「蓮舫さんをはじめ、福山哲郎前幹事長や森ゆうこ氏らの前執行部は、参院予算委で存在感を示しています」と驚嘆した。

 一方、泉健太新執行部は国会質疑の質向上を図るため「衆院1・2期生対象質問講習会」をスタートさせている。その狙いは、ベテラン議員が若手議員に質問の極意を伝授するという試みだ。

「蓮舫さんらの質問技法や技術は、すぐに修得するのが難しいです。予算委で蓮舫さんが凄い存在感を示すと、立民支持者の泉執行部に対する不満が溜まる一方です」(立民の新人衆院議員)

 今夏の参院選東京選挙区からの立候補が決まった蓮舫氏は、4度目の当選を目指している。