志は高く――。西武・辻発彦監督(63)が2年連続で開幕投手に指名している高橋光成(25)に注文を付けた。オープン戦最終登板となった18日のヤクルト戦(ベルーナドーム)では6回5安打1失点。底冷えする寒さの中、高橋は球威不足を変化球中心の投球でまとめたが、指揮官は「寒い中、球にスピード自体はなかったけど、しっかりと丁寧に投げていた」としつつ、唯一の失点シーンを問題視した。

 ここまで高橋はオープン戦3試合に投げて計15回で自責3点。防御率は1・80と申し分ない。本人も本番前最後のマウンドに「粘り強く投げられたと思う。(直球は)良くなかったが、スライダー、カットボールで打者を抑えられたのが良かった。(開幕戦に向け)ワクワクしているし、来週になるのをすごく楽しみにしています」と声を弾ませていた。

 それでも辻監督は0―0の4回二死二塁の場面で、打席のオスナにカウント2―2から中途半端な速球勝負で左前に運ばれて先制を許したことに着目。「シーズンに入って負けられない試合をつくるにあたっては、やっぱりあの1点の取られ方はね。あそこは歩かせるのかなと思っていたんですけど、勝負するんだったら抑えないと。相手がいい投手でなかなか点が取れないことを考えれば、うまくその辺をゲームメークしていかないといけない。そこまで考えてやっていかないと」と“物言い”をつけた。

 25日の本番は昨季沢村賞のオリックス・山本由伸(23)とのマッチアップ。点の取り合いになることは期待できず、1失点が命取りになりかねない。ローテーション通りなら、向こう1か月は各球団のエースと対戦することになるだけに、投手として一段階上を目指してほしいからこその苦言だったようだ。