第94回選抜高校野球大会(甲子園)第2日の20日、23年ぶりの選抜出場を果たした長崎日大が第2試合で急きょ出場が決まった近江(滋賀)と対戦し、延長タイブレークの末に2―6と惜敗した。

 先発の種村(3年)はプロ注目の近江・山田(3年)と互角に渡り合う投球を披露。6回に2点の援護点をもらって勢いをつけるが、勝利目前の9回に1点を失い、無念の降板。代わった2番手左腕の川副(3年)が痛恨の同点打を許し、試合は延長に突入した。迎えた延長13回、川副は大会初のタイブレークのマウンドに上がり、先頭の山田に勝ち越し打を許すと、暴投のミスも重なり、4失点と力尽きた。

「ゲームの流れをどちらがつかむかというところだった。タイブレークでは根負けしたと思う」と平山監督。初戦の相手、京都国際をイメージして準備していたが、コロナの集団感染で出場辞退となり、3日前に近江に変更。左の好投手(森下)から右の好投手への対応を余儀なくされた。

 それでも平山監督は「選手に動揺はなかった。誰が(コロナに)なってもおかしくないという話は選手にしていた。左のプロ注目から右のプロ注目に代わって、甲子園で対戦できて逆に喜びだったじゃないですか」とサバサバと話し、好投した種村も「(山田に)負けてないと思ったし、夏に帰って来たい」。昨夏ベスト4相手に堂々の投球ができたことは夏への大きな自信になったはずだ。