アーチェリー男子個人五輪2大会メダリストで〝還暦イヤー〟を迎えた山本博(59=日体大教)が、2024年パリ五輪出場に意欲を示した。

 20日に横浜市内の公認記録会に出場して641点をマーク。古傷の右肩の影響などで過去2年全日本ターゲット選手権(全日本)の出場を逃し「昨年、一昨年どん底だった」としながらも「今日の感覚では、この延長で努力していけば良さそうだなというのが見えたので、かなりホッとしました」と納得の表情だった。

 40年以上にわたる競技人生。若いころのように体が動かず、2016年に右肩、20年に肋骨の手術を受けた。「この記録会でダメだったらいろいろ考えないといけなかった」

 それでも、現在は春休みで授業がないことから週7日、1日4~5時間かけて250射放ち、汗を流している。また、チューブを使ったインナーマッスルトレーニングの成果もあり「半月ぐらい前から接骨院の院長にも(右肩周りに)筋肉が付いてきたねと。弓が以前と同じようにも引けるようになってきているし、筋肉が付いているから筋肉痛も感じる」と笑顔を見せた。

 今年10月に60歳を迎える山本は舞台をシニアに移すことなく「クラス分けがないところで頑張りたい」と強調する。「ジャンボ(尾崎)さん尊敬しているんで。ユーチューブなんかも見ますよ。すごいなと。往年の姿と比べるとスイングが残念かもしれないけど、レギュラーツアーにこだわるのは僕も一緒」。ゴルフ界のレジェンドから刺激を受けていることも明かした。

 そんな節目で照準を合わせるのは全日本とナショナルチームの選考会だ。「(全日本は)40回以上出ているのに、(出場した直近の2大会で)2桁順位が2年連続ですから。今年は優勝圏内に入って選考会に」と意気込む山本。

 続けて「今年(ナショナルチームに)戻らないと(パリ五輪)2年後だから。来年は世界に行けるように。そのためには680点の領域まで持っていかないと。あと40点上げるイメージは見えてきている」と言いきった。

 1984年ロサンゼルス五輪銅メダル、04年アテネ五輪銀メダルの山本は〝20年周期〟の活躍を見せてくれるのか。