2006年トリノ五輪でスピードスケート女子500メートル金メダリストのスベトラーナ・ジュロワ氏が、スポーツ仲裁裁判所(CAS)の決定に関して〝陰謀論〟を主張した。

 ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、スポーツ界では制裁が広がっている。中でもサッカー界では、国際サッカー連盟(FIFA)がロシアの国際大会への出場を禁止するなど、厳しい措置を取っている。それに対してロシアサッカー連合がカタールW杯欧州予選プレーオフへの出場を求めてCASに複数の提訴を行っているが、3度にわたって却下が続いている。

 こうした動きに対して、五輪王者のジュロワ氏はロシアメディア「スポーツエクスプレス」に対して見解を示した。

「これぞ国際法、これぞ民主主義だ。この問題を法廷で提起して、人々の主張を伝えてもらうこともできない」と皮肉たっぷりにCASを批判。そして「この組織は独立しているべきだが(提訴が)成功する見込みはない。さらに言えば、ロシアの訴訟に対しては一切支持するなという指令があるだけだ。命令される、ただそれだけだ」と持論を展開。CASの背後にある〝権力〟がロシアの提訴を認めないよう〝圧力〟をかけている陰謀説を唱えたのだ。

 怒りを露わにしたジュロワ氏の主張。スポーツ界でもロシア側は強硬な姿勢を崩さないようだ。