偉大な祖父に近づけるか。大相撲春場所10日目(22日、大阪府立体育会館)、幕内琴ノ若(24=佐渡ヶ嶽)が幕内大栄翔(28=追手風)をはたき込んで9勝目(1敗)。全勝の幕内高安(32=田子ノ浦)と1差をキープした取組後は「毎日やれることを意識してやってきた。一日一日思い切って、また明日という気持ちでやれれば」と表情を引き締めた。

 母方の祖父は「猛牛」と呼ばれた元横綱琴桜、父は元関脇琴ノ若(現佐渡ヶ嶽親方)の〝サラブレッド〟。幼少期から英才教育を受け、少年相撲大会で2位になった際には祖父から「1位じゃないと意味がない」と一蹴された話は有名だ。横綱の血を引く〝3代目〟は、琴桜が生まれ育った鳥取・倉吉市からの応援も力に変えている。

 7日目(19日)には佐渡ヶ嶽部屋ファンクラブ「鳥取県桜友(おうゆう)会」の会員約20人が会場で観戦。琴ノ若は同会から贈られた化粧まわしで土俵入りし、白星を挙げた。同会関係者は「(今場所の活躍は)素晴らしいですよね。このまま優勝を目指して頑張ってほしい」と期待。このまま優勝争いを続ければ、千秋楽にパブリックビューイングを開催する可能性もあるという。

 琴ノ若の目標は、大関に昇進して「琴桜」のしこ名を襲名すること。初優勝を果たして新三役の座を射止めれば、偉大な祖父の背中も見えてくる。