日本維新の会・鈴木宗男参院議員(74)は23日、国会内でウクライナのゼレンスキー大統領のオンライン生演説を受けて会見を行った。

 宗男氏は岸田文雄首相らと議員会館の会議室でゼレンスキー大統領の生演説に耳を傾けた。

 終了後、同党の馬場伸幸共同代表、藤田文武幹事長との会見で宗男氏は「ゼレンスキー大統領は淡々と話していた。アメリカの演説では真珠湾攻撃、リメンバーパールハーバーと言っていましたからね。当然、北方領土の話をするのかなということは頭にはあったが、一切なかった。非常に落ち着いた物静かな話ぶりだったので驚いたというか、心境の変化があったのかなと感じがしました」と振り返った。

 ゼレンスキー大統領の演説を聞いて逆に宗男氏のなかで変化はあったのか。

「私は一貫して言ってることは、力による国家主権の侵害、あるいは領土の拡張はあってはならん、これが前提です。その上でとにもかくにも紛争はしない、撃ち方やめが一番だ。話し合いだというのが私の考えですから、今日、ゼレンスキー大統領の話しを聞いて、その思いを強くしました」(宗男氏)

 岸田首相はロシア側が日露平和条約締結交渉の中断を一方的に表明したことに「断じて受け入れられない」と反発している。

 今後の日露関係の在り方について宗男氏は「岸田総理がどう対応するのか、その一点にかかっていると思います。常識的に考えれば、完璧に信頼関係は崩れたという形ですから、その後、立て直していくのは時間がかかるし、心配しています。それと日本には国益としての領土問題解決と平和条約締結がありますから。昨日(22日)の参院予算委の質問でもですね、国益優先だということは、岸田総理は言っていた」と語った。