米俳優ショーン・ペン(61)が23日、ロシアの侵攻を受けたウクライナを巡り、自身が設立した人道支援団体コアと隣国ポーランド南部にあるクラクフ市を通じて避難者を支援することで合意した。報道によると、コアはクラクフに事務所を開設し、子供たちに教育活動を提供するほか、空いている建物を改築して約50人を収容する施設も設けるという。

クラクフ市で会見したペンは、「これは世界中の多くの人々の生涯において最も胸が張り裂けそうな瞬間の一つで、全体の危機。できることは全てするつもりだ。ここにとどまるか、何度も戻ってくるか、支援する人たちを励ますためにだけ戻ってくるか」と語り、当面は続くことが予想されるこの状況に全力で取り組む考えを示した。

ペンはドキュメンタリーを制作するため、ロシアによる侵攻が始まる直前の先月下旬にウクライナ入りし、ゼレンスキー大統領とも会談していた。今月初旬に首都キエフから同僚2人と共に車と徒歩でポーランドに脱出したことをSNSで明かしていた。国境を越えて押し寄せる避難者の様子を目のあたりにしたペンは、米国に一度短期で帰国したのちすぐにポーランドに戻り、可能な限りの支援を提供するため動き出したという。(ロサンゼルス=千歳香奈子)