第94回選抜高校野球大会第7日第2試合は延長13回タイブレークの末、金光大阪が4―3と木更津総合(千葉)を逆転サヨナラで下した。

 1―1と両者譲らずに延長に突入。タイブレークで迎えた13回に金光大阪のエース古川(3年)は一死二、三塁から菊地に中前打を許して痛恨の2失点。しかし、その裏に一死満塁から併殺崩れの間に1点差とし、二死満塁から押し出し四球で同点。最後は福冨(2年)のサヨナラ押し出し死球で激闘に幕が降りた。

 決勝点を背中への死球でもぎ取った福冨は「痛いというより逆転で勝てたことがうれしすぎた。体が動かなくて立てなかった。三振が頭によぎったけど、次の打順は古川さんだし、疲れている。僕が決めるしかないと思っていたらデッドボールの球が来て、ヨシって思いました」とうれしい痛みに笑顔を見せた。

 金光大阪の横井監督は「タイブレークは1点取られるのは普通のこと。2点取られたら3点とればいい。終盤に延長に入ってどこかやられるのを待っているような雰囲気があって叱ったんですが、よく我慢したと思う」と選手をねぎらい、160球を1人で投げ抜いた古川については「素晴らしい投手、素晴らしい人間だなと思って見てました。捕手の岸本とよく落ち着いて最終回まで投げてくれた。スライダーが岸本が意図するところに来ていたし、彼らしい投球だった。流れを渡さなかったのはバッテリー、古川の頑張り、粘りにつきる」とたたえた。

 準々決勝の相手は昨秋の近畿大会で敗れた好投手・山田を擁する近江(滋賀)。横井監督は「山田くんを中心にした素晴らしいチーム。全力でぶつかることしかできないと思っている」と力を込めた。