我が道を行く――。ノアのナショナル王者・船木誠勝(53)が早くも長期防衛を見据えている。

 船木は24日の後楽園大会で鈴木秀樹を退けてV2に成功。ただし「まだ2回」とあくまで通過点であることを強調する。次期挑戦者はまだ明かされていないが、王者が熱視線を送るのが、1月の新日本プロレスとの対抗戦でメインを務めた25歳の〝若武者〟だ。

「たまにタッグで当たるけど、清宮(海斗)選手は今一番力をつけている。去年より今年のほうがいいし、そういう意味でも伸びている真っ最中。10年たっても30代半ばだと考えると、いつか超えられるかもしれない。今のうちにやっておきたい」

 同王座の最多連続防衛記録は拳王のV6。船木は全日本プロレス時代に3冠ヘビー級王座でV4を達成したが「長い人だと10回とかやっているから、そこまで行きたいなと。せっかくつかんだチャンスなんで」と、大台を目標に長期政権を狙う。ベルトを持ち続ければ、清宮との一騎打ちも現実味を帯びてきそうだ。

 また、1月に無頼派集団「金剛」に加入してからは、心境にも変化が生じている。「新しい面というか、今まで出していない面が出せるようになった」。客席に伝わる緊張感もハイブリッドレスラーの魅力だが「もっと笑って試合がしたい。余裕を持って、自分はシリアスだけじゃないと。もう一度、10代のころに持っていた明るさを取り戻したい」と力説する。

「いろんな相手と試合したい」と語る船木が、原点回帰で防衛ロードを突き進む。