湘南乃風のメンバー若旦那として知られ、俳優としても活動する新羅慎二(45)が26日、東京・新宿バルト9で行われた映画「ツーアウトフルベース」(藤澤浩和監督)公開記念舞台あいさつで「ドラマとかより、映画の方が楽しい。ドラマ関係者にいったら、干されちゃうけど。たまにいるじゃん、映画専門で行くって言う役者さん。それが分かる。干さないでください」と苦笑した。

「ツーアウトフルベース」は、「ミッドナイトスワン」で知られる内田英治監督が駆け出し当時の脚本の映画化作品。新羅は企画プロデュースを務め、キャスティングも担当したほか、劇中ではアントニオを演じた。「大人が遊んだ結果、こうなった。音楽と近い現場は作れたんじゃないか。遊びの中からクリエーティブが発揮される。映画は楽しい…段取りで、はい終わりじゃない。もっとみんなで話し合い、アドリブを出し合ってが楽しかった」と振り返った。

新羅は集まったメディアが、映画の方が好きという発言に反応しだした様子を見て「干さないでください。好みの問題ですから」と繰り返した。映画に初主演した7人組ユニット7ORDERの阿部顕嵐(24)と、板垣瑞生(21)も「好みです」「自由です」と口をそろえてフォローした。

「ツーアウトフルベース」は、阿部演じるイチと板垣演じるハチが、かつてプロ入りが期待されるほどの高校球児で甲子園出場が決まりながら、部内の不祥事により出場が取り消されてしまい転落していく姿を描く。10年後、薬物にまで手を出し堕落した生活を送っていたふたりは、軽い気持ちで不良グループのリーダーから高級アメ車を借りたばかりに、町のヤクザに因縁をつけられ、アメ車をカツアゲされてしまうが、偶然にも再会した、工藤遥(22)演じる野球部の元マネジャー早紀はヤクザの車を盗んでいた。ヤクザに追われ、不良グループからはアメ車を催促され、警察からも目を付けられ、絶体絶命の3人が思い出したのは10年前、甲子園が決まった2死満塁のマウンド、という物語。

新羅は「コロナ禍の撮影だったから、みんな一丸となって乗り切った。大変だったし、誇らしい」と撮影を振り返った。その上で「僕には夢があった。映画は総合芸術だと先輩たちから言われていて『映画に携わらないと、アーティストとしてはダメだぞ』と言われていた。いつか映画の、総合的な立場を、やらせていただきたいと思っていた。ちょっと、芸術というものに触れられた感じがある。楽しかった」と笑みを浮かべた。