日本ボクシングのヘビー級の存続危機を救えるか。ボクシング元世界3階級制覇王者の亀田興毅(35)が会長を務める「3150ファイトクラブ」主催のイベント「3150ファイトVol・2」(4月29日、大阪メルパルクホール)の対戦カードが26日、都内で発表され、アマチュア5冠を誇る日本ヘビー級の超新星・但馬ミツロ(27)のデビューが決まった。

 対戦相手は韓国ヘビー級3位のキム・サンホ(韓国)だ。但馬は「コロナ禍になってデビューがなかなかできない状態が2年くらい続き、やっとスタートが切れることをうれしく思っています」と意気込みを口にし、存続危機に陥っている日本ヘビー級について「重量級の未開拓なポジション。日本にも体がデカくて大きい選手がボクシングに来た時、いい環境を作るために僕が道を切り開く第一人者だと思っている」と〝パイオニア〟としての思いを語った。

 大会を主催し、マッチメークした興毅は「ようやく試合を実現することができ、まずホッとしています」と話し、但馬について「すごい可能性の秘めたボクサー。テコンドーでも黒帯で、蹴りもメチャクチャすごいし寝技もできる。UFCに行くこともできる可能性ある。地球上で一番ケンカが強い男になれる。今、この男を〝最強化計画〟でやっている」と大絶賛。その上で「やっぱりボクシングといったらヘビー級。世界チャンピオンになると100億も稼ぐ。でも、今は日本ヘビー級のタイトルが存続の危機。その中で但馬が現れてデビュー戦する。夢を託されています」と熱意を込めた。

 現在、日本ヘビー級はチャンピオンはおろか、ランカーも不在。今年1月に日本王者の上田龍(石神井スポーツ)が王座を返上し、唯一の日本ランカーの竹原虎辰(緑)引退した。そのため、今回の但馬デビュー戦を日本同級王座戦にすべく、興毅は日本ボクシングコミッション(JBC)に働きかけたという。

「もともとヘビー級は特例で海外選手と日本タイトルマッチや防衛戦ができるルールがある。実際に藤本京太郎が外国人と決定戦やっている。そういう前例もあるので、難しいとは思いますが、ダメ元でJBCに書面を提出しました。僕はやっぱりボクシングを盛り上げたいし、ヘビー級をなくしたらアカン。チャンピオンもランカーもいなくて、どうやってランキングに入れるのか。無理な話ではないと思うし、筋は通っていると思うので、多少なりとも理解を示してほしい」

 今後、但馬は興毅のサポートを受けながら海外合宿に参加し、元格闘家やヘビー級トップ選手とのスパーリングをする夢を抱いている。この熱意を受けて、果たしてJBCはどんな判断を下すか。