日本代表DF長友佑都(35=FC東京)が森保ジャパンに欠かせない存在となっているのは、こんなところにも理由があるかもしれない。

 不動の左サイドバックとして日本代表を引っ張ってきた長友は、昨年9月にスタートしたカタールW杯アジア最終予選に入って限界説を指摘される機会が増えた。

 最終予選ではフル出場することなく、DF中山雄太(ズウォレ)が引き継ぐ異例の〝サイドバックリレー〟が恒例となった。それでも持ち前のポジティブさを失わず、チームに活力を与え続けている。森保一監督は、そんなベテランを「佑都はいつもポジティブで、チームにエネルギーを与えてくれる。絶対に必要な選手」と絶賛し続ける。

 そんな中、DF吉田麻也主将(サンプドリア)が、26日のオンライン会見で最終予選中の出来事をこう振り返った。「東京五輪が終わって頭を切り替えて最終予選というふうに臨んだ1試合目(オマーン戦)でつまずいて、自分自身で頭の整理、心の準備ができていたか自問自答した。2試合目のときに長友選手が部屋に来て『もう一回、熱量を持って挑まなければダメだ』と言われて、目が覚めたというか、頬をはたかれたような気持ちになった。それからそこを意識して予選を戦った」

 長友が吉田主将に改めて熱い魂を吹き込んだことも突破の一因と言えるだろう。もちろんピッチ上のパフォーマンスが伴わなければ、代表に呼ばれなくなるが、ピッチ外の行動に衰えは見られない。