またも賜杯には届かなかった。大相撲春場所千秋楽(27日、大阪府立体育会館)、幕内高安(32=田子ノ浦)は優勝決定戦で関脇若隆景(27=荒汐)に屈し初優勝はならなかった。

 若隆景と2敗で並んで千秋楽を迎えるも、本割で関脇阿炎(錣山)に敗れた。万事休すかと思われたが結びの一番で若隆景が大関正代(時津風)に黒星を喫し、再びチャンスを得た。一時は土俵際まで追いつめ、あと一押しというところだったが、最後は相手の上手出し投げを打たれ初Vは霧散した。

 取組後は「これが結果。力が足りなかった。まだまだ稽古が足りない」と悔しさをにじませた。

 新大関御嶽海(出羽海)が話題の中心で始まり、6日目から横綱不在となった春場所だったが、主役となり最後まで「荒れる春場所」を盛り上げた。本人は「もう1回優勝を目指す。この気持ちを忘れないで、もう1回挑戦したい」と必死に前を向いていた。