助演女優賞は「ウエスト・サイド・ストーリー」(スティーブン・スピルバーグ監督)のアリアナ・デボーズ(31)が、初のオスカーを獲得した。壇上でオスカー像を手に「信じられません! これは、何なんでしょう?」と歓喜した。

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デボーズが劇中で演じたアニータは、同名ミュージカルを最初に映画化した61年「ウエスト・サイド物語」でプエルトリコの女優リタ・モレノ(90)が演じ、60年前の第34回アカデミー賞で助演女優賞を受賞している。デボーズは「リタ・モレノさん、インスピレーションを与えてくださってありがとうございます。あなたが演じたことで、私の演じたアニータが生まれた」と感謝した。

アニータはプエルトリコから米国に来た女性という役どころだ。デボーズは「アニータが米国にいたいと言っている理由が良く分かる。変な時代ですけど、夢はかなう。一生で1番の夏を(製作した)皆さんと過ごすことが出来て光栄。スティーブン・スピルバーグ監督、ありがとうございます」と感謝した。また会場にいた母にも「お母さんが来ています。心からありがとう。受賞はお母さんのおかげ」とメッセージを送った。

デボーズは15年にLGBTQの1つ、クィアであるとカミングアウトしており、黒人のラテン系では初、LGBTQをカミングアウトした俳優としても初の受賞だという。スピーチの最後に「想像してみてください。女性、トランスジェンダーが勇気を持って人生を切り開いていくのを目撃しました。もし、ご自身のアイデンティティーを疑問に思い、闇を感じることがあるにしても、私たちの居場所は確実にここにあります」と力強く訴えた。