玉野競輪場のGⅢ「開設71周年記念」(瀬戸の王子杯争奪戦)は28日に3日目を開催。29日の最終日12Rで決勝が行われる。

 佐藤慎太郎(45=福島)は初連係の山根将太(24=岡山)を大人のリードで気持ちよく駆けさせ、準決10Rを制した。

「レース前にアドバイス? 何も言わなかったよ。他地区の子に口酸っぱく言うのもね。念を送った程度かな(笑い)。(3番手の)和田圭(36=宮城)は言ってたかもしれないけど(笑い)」

 自分勝手な振る舞いは決してしない。競輪界を代表するS級S班、そして追込選手としてのプライドがこれでもかと自分を戒める。機動型は責任を自覚し自然とノビノビプレーを連発。持ったもの以上の脚力を発揮する。これがラインの存在感だ。

 だが、「あの初日特選は違うよ。あれはワッキー(脇本雄太)が強すぎた。悪夢はもう忘れたよ。思い出すだけで脚がいっぱいになっちゃう」と痛恨のハコ3を喫した初日を振り返り苦笑い。

 それでも今年初めて節間で2勝を挙げており自身のリズムは上向きとみる。「あの開幕戦みたいにさ、勝てるときに勝っておかないと後に響く。競輪も一緒ですよ」と開幕戦で7点差の逆転負けを喫した、愛する阪神タイガースの開幕3連戦を引き合いにだし、勝ちへの執念を打ち明けた。

 決勝12Rは再び脇本の番手を回る。「中国勢が2段駆け態勢っぽいけど、脇本ならやってくれるでしょ。絶大な信頼を置いているんだよ」と初日の失敗をぬぐう激走で逆転差しを決めてみせる。