書道有段者のタレント中山秀征(54)が都内で29日、触覚書道(視覚障害者向けの書道)を初体験した。障害者雇用を手掛ける会社「パーソルサンクス」創業30周年を記念した展覧会での催し。

 中山は、障害者アーティストの自立支援団体の理事であり、作品コンテスト「パラリンアート世界大会」で毎年審査員も務めている。海外からの応募作品には銃を持った作品などもあり、「世界ではどんなことが起きているのか。あるいは幸せとは何か。常にそういったテーマの中で皆さん生きてるんだなということが感じられる」という。

「今、戦火にやられるウクライナであったり、そういったところで見てしまったものや、心の中に残ったものなどが嘘偽りなく作品になって、多くの人たちに真実をまた伝えてくれるということも、もしかしたら新たな発見に繋がってくるのかなっていうふうに思います」と中山はしみじみ。

 触覚書道は、小筆に「リモネン」というオイルをつけ、発泡スチロールに書く。化学反応で筆跡が凹み、そこに色をつけて完成。視覚障害のある竹井真紀子さんが、師匠の書道家らと2年前に発案した。

 竹井さんは人材派遣グループ「パーソル」が掲げるビジョン「はたらいて、笑おう」を作品にし、最後はそれを持ち記念撮影。「いやホントですね、働いて笑えるってすごくいいことですね」と言う中山に、隣のパーソル和田孝雄CEOは「世界中に広げたいですね。そうしたら戦争もなくなるのかなと思いますけどね」と呼応していた。