ボートレースとこなめのGⅠ「開設68周年記念 トコタンキング決定戦」は5日目の29日、準優3番勝負を行い、最終日(30日)の12Rで争われる優勝戦メンバーが出揃った。6人の顔ぶれは次の通り。

1号艇・土屋智則(37=群馬)
2号艇・茅原悠紀(34=岡山)
3号艇・田中和也(37=大阪)
4号艇・瓜生正義(46=福岡)
5号艇・平本真之(40=愛知)
6号艇・柳沢 一(40=愛知)

 このうち、V最短といえる1号艇を手にした土屋は、準優の1周1マークで「緊張なのか、ハンドルから手が離れてしまった」と思わぬオーバーターンに苦笑い。しかし、2Mの差し返し劇は実戦足の良さがあってこそで、コンマ03の好踏み込みを見せた準優同様のスリット攻勢から、今度こそすんなり逃げたいところだろう。ただ、茅原、瓜生のグランプリウイナー2人を含め、強敵が揃った感もある。その中で、ここでは土屋と同期の田中をクローズアップする。

 田中はこれがうれしい初GⅠ優出。SGデビューも昨年3月の福岡クラシックと遅咲きだったが、選手生活約17年半でようやく大舞台のキップをつかんだ形となった。

 普段からひょうひょうとしたタイプだが、今節も「3日目までは(優出が)できると思っていなかったけど、4日目の段階で準優1号艇をもらえたと分かって、チャンスが出たと思いました」と至って冷静。準優の1マークでも「前本(泰和)さんが攻めてきていたので、余裕がないと思ってハマらないように回った」と、クレバーな立ち回りが光っていた。

 舟足は「バランスが取れているし、出足、伸びともいい。乗り心地も居いい」と文句なしの状態。持ち前の自在ハンドルで、一気呵成に初GⅠVを狙う。