【東スポ音楽館】演歌歌手・北山たけしが新境地開拓だ。師匠・北島三郎が作曲作詞したシングル「博多ぶるーす」は、北山の出身地である福岡県の博多を舞台にした楽曲。この新曲では北山が新たな魅力をのぞかせている。

 ――新曲はどんな作品ですか

 北山「博多の街を舞台に、愛した女性を忘れられず、博多の街を思い出したり訪れたり。博多の夜の街で繰り広げられるいろいろな男女のドラマを描いた作品です」

 ――ブルースは初めて

 北山「そもそも師匠がブルースの楽曲を作ることにビックリしましたね。やっぱり師匠が作るのは演歌ですから。だから、この曲を“たけしに合うから”と最初にいただいたときには、『先生、違う曲でお願いします』って言っちゃいました」

 ――それでも北山さんにはブルースが合うと考えた

 北山「デビューして19年になるんですが、デビューから声質も変わって4、5年前から低音が響くようになったんです。そのころから師匠も、低音の歌が合うと言ってくださっていたので、今回の曲を作ってくださったと思います。師匠はたまにフランク永井さんの『夜霧の第二国道』(1957年)を歌ったりするんです。『――第二国道』はレパートリーに入れたほうがいいよって言ってくれたりもするんですが、今回も、今の時代にブルースはあまりないから、“北山たけしのカラーにしたほうがいい”と背中を押してくれています」

 ――ファンの方の反応は

 北山「確かに雰囲気が合っているとか、低音の響きがいいって言われますね。私の父親が76歳になるんですが、この曲を聞いて懐かしいなあって言うんです。僕の父親世代くらいだとブルースをいろいろな方が歌っていたので、そう感じるのだと思います」

 ――「ぶるーす」が平仮名ですが

 北山「もともと『博多ブルース』って曲があったという理由もあるんですが、師匠が『ぶるーす』がいいって言いだしたんです。初めは周りの人も、おかしいでしょって言ったんですが、出来上がってみると、平仮名の方が合うねって」

 ――博多の思い出は

 北山「3月中旬にも北島ファミリーとして博多座でコンサートをさせていただいたんですが、博多座の辺りが歌詞にも出てくる祇園の街があって、その近くに櫛田神社があるんです。そこに山笠が飾ってあるんですが、毎回、博多座に行くたびに神社に行きます。それとやっぱり屋台。まだ師匠の付き人だったころ、博多に来ると、バンドの方に屋台へ連れて行ってもらったことは楽しい思い出ですね」