日本の文化・芸能の保存、向上に寄与した人物を表彰する「第43回松尾芸能賞」の贈呈式が都内で30日に行われ、狂言師の野村萬斎(55)が大賞を受賞した。

 狂言以外にも世田谷パブリックシアターでの芸術監督などの活動が求められての受賞に「芸術監督として評価していただいたことが大変うれしく思います」と感謝した。

 明日31日で2002年8月から務めてきた世田谷パブリックシアターでの芸術監督を退任。「できた時間でいろんなことをやりたい。劇作をしながらキャスターをやろうとしている人もいるので、私も新しくいろんな可能性を勉強したい」と、劇作家・三谷幸喜氏を意識?したコメントで盛り上げた。

 また、式後の囲み取材では師匠で父の野村万作(90)に受賞を報告したことを明かし「父は『優秀賞』だったものですから、ちょっと順番が…いいのかなと思いましたが、『いいんじゃないか』と言ってもらえました」と笑顔を見せた。

 特別賞を受賞したのは、俳優の伊東四朗(84)。司会者から「今は喜劇役者の存在がより求められているように感じます」と振られると、「若い人にもつながっていってくれるとうれしいなと思いますね。喜劇の中にはなんでも入っている。喜劇は最高ですから、みなさん、喜劇の畑に入ってきてください」とスピーチし、会場から大きな拍手が起きた。

 この日はほかに、優秀賞を菊原光治、春風亭小朝、シルビア・グラブ、尾上菊之丞、新人賞を坂東巳之助、功労賞を坂東竹三郎が受賞した。