歌手さだまさし(69)が30日、長崎市内で“100円コンサート”を開催した。前日29日に続き、会場は、50年前にグレープとしてデビューコンサートを行った長崎・NBCビデオホール。客席数304席の会場に全国から約1万通の応募が殺到。コンサートには相方の吉田政美(69)も駆けつけ、デビュー当時のステージを再現した。

タイトルは「さようならNBCビデオホール~さだまさしコンサート~」。同ホールが3月で幕を下ろし、取り壊しが決定したことがきっかけだった。

さだは、グレープとして「雪の朝」でレコードデビュー。今年10月には50周年の節目を迎えるが、同ホールは、グレープとしてアマチュア時代からコンサートを行った“ゆかりの地”だ。

さだは「アマチュアだった時は280人ぐらい入ったと思う。その後、デビュー後は満席になったのですが、ソロになってからも最初にコンサートを開いたのが、このホールでしたね。ま、客席数が少ないので、地元でのお祭りという気分で気軽に立てたんです」と振り返る。ホールの取り壊しについては「何か、実家が取り壊されるような気分ですよね。そう言った意味で寂しい感じです」。

今回は「会場への感謝の思いを込めて、思い切って当時の入場料金(100円)で追憶コンサートを開催しよう」となった。

グレープの名曲「精霊流し」「紫陽花の詩」で幕を開け、「交響楽」「殺風景」などを披露。また、ソロとしては「北の国から」「秋桜」「主人公」などアンコールを含め12曲を歌い上げた。

さだは、2年ぶり通算43枚目のオリジナル・アルバム「孤悲」を6月1日にリリース。5月21日からは、千葉・市川市文化会館を皮切りに、全国ツアー「さだまさし コンサートツアー2022」がスタートする。