カブスの鈴木誠也外野手(27)は30日(日本時間31日)にアリゾナ州メサで行われたマリナーズとのオープン戦に「2番・右翼」で出場し、3打席目にオープン戦初安打を初本塁打で飾った。3打数1安打2打点。チームは8―5で勝った。

 4試合、11打席目に出た待望のメジャー初安打はファンの度肝を抜く一発だった。4―2の4回二死一塁、マウンドは相手先発、メジャー通算51勝の左腕ゴンザレスだ。チェンジアップが2球続き、初球は空振り、2球目は見逃した3球目だった。内角に甘く入った直球を豪快に振り抜くと高々と舞い上がった白球は、中堅左の芝生席にそのまま着弾。ファンは大歓声だ。

 一塁ベースを回って柵越えを確認した鈴木は控えめに小さく両手を合わせると、ゆっくりとダイヤモンドを一周。三塁側のベンチに戻ると、ロス監督、チームメートたちからハイファイブやハグで熱烈に祝福された。さすがにホッとした表情だ。

 初回の第1打席は空振り三振、3回の第2打席は中飛に倒れたが、打ち損じを悔しがった。ここまでオープン戦では好守を再三、披露していたが、求められているのは打撃。やっと出たアーチに本人はもとよりチームも一安心だろう。

 4月7日(同8日)の本拠地で行われるブルワーズとの開幕戦まで残された時間は多くない。メジャーの動くボールへの対応など、どこまで状態を上げることができるか。ただ、鈴木はカブスファンを熱狂させるど派手なデビューを予感させる“何か”を持っている。楽しみだ。